出版社の株式会社イースト・プレスから
『テレビはプロレスから始まった 全日本プロレス中継を作ったテレビマンたち』
が出版されました
この本は、著者の福留崇広氏が、テレビ番組「全日本プロレス中継」を作ってきたプロデューサーやディレクター、アナウンサーたちに取材を行い、彼らがどのような思いで番組を作ってきたかを克明に描いた本で、特に「全日本プロレス中継」に熱狂したプロレスファンにとっては必見の内容となっています!
この本をまだ読んでいない方や、これから買おうかどうか迷っている方のために、本の見どころをいくつかピックアップして紹介してみたいと思います
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書籍情報
『テレビはプロレスから始まった 全日本プロレス中継を作ったテレビマンたち』
は2022年10月に株式会社イースト・プレスから出版されました
著者は報知新聞社の福留崇広氏で、著書に『さよならムーンサルとプレス 武藤敬司35年の全記録』(イースト・プレス)、『昭和プロレス 禁断の闘い「アントニオ猪木 対 ストロング小林」が火をつけた日本人対決』(河出書房新社)などがあります
内容説明と目次
本書のあらましと目次についてAmazonの紹介文から引用しましたので、まずはご覧ください
あの頃、「テレビじゃなければ見られないプロレス」があった
力道山の姿を一目見ようと街頭テレビに群集が押し寄せた黎明期、日本プロレスの熱狂、全日本プロレス旗揚げの真実、プロレス実況の飛躍、バラエティとプロレス、あの頃の「裏方」たちの狂騒。
名プロデューサー原章を筆頭に、徳光和夫や福澤朗ら時代を彩った名実況者に取材。【目次】
まえがき
第1章 テレビがまさしくプロレスだ
第2章 鉄の爪を逃さない
第3章 テレビはプロレスを「作れない」
第4章 ブラウン管ごしの抗争
第5章 「プロレスは正力の遺産だ」
第6章 厳しい船出
第7章 リングのスター、テレビのスター
第8章 お茶の間の人気をとる
第9章 土曜8時の終焉
第10章 夕方5時半時代
第11章 「放送はどこまで行っても大衆への奉仕である」
第12章 「一人の人間の生きざまを見せる」
第13章 プロレス中継、斜陽の時代
第14章 プロレスニュース
第15章 終幕へ
第16章 別れ
あとがき出典 Amazon
それでは、この本の見どころについて紹介していきたいと思います
『全日本プロレス中継』の「ここだけの話」が盛りだくさん!
「全日本プロレス中継」を語るうえで欠かせない人物、それは「全日本プロレス中継」の初代プロデューサーの原章(はらあきら)氏です
もし原章氏というプロデューサーがいなかったら、「全日本プロレス」というプロレス団体も、そして「全日本プロレス中継」という番組も存在しなかったでしょう
彼は、日本テレビの全面的なバックアップの下で、ジャイアント馬場選手と一緒に「全日本プロレス」を立ち上げ、そして「全日本プロレス中継」をスタートさせたのでした
原章氏がこれまでに綴ってきた14冊のノートの中には、全日本プロレスの立上げに奮闘するようすや、番組作りのノウハウといった、今となっては時効の「企業秘密」や「極秘情報」が克明に記されていました
詳細は本書の中で書かれてあるので割愛しますが、例えば・・・
フリッツ・フォン・エリックの「鉄の爪」が、ジャイアント馬場に襲い掛かろうとする瞬間の映像を見た方は多いと思いますが、実この映像はカメラの位置に「ある工夫」をすることで、「スリル」や「恐怖感」をより強く押し出すことに成功したのだそうです
その他にも全日本プロレスの立上げ秘話や、新日本プロレスとの選手の引き抜き戦争、さらには輪島や長州の加入と離脱、そして全日本プロレス中継の終焉に至るまで、「ここだけの話」が満載の一冊になっています!
個性あふれる『名物アナウンサー』
全日本プロレス中継を彩った名物アナウンサーたちは、数々の「名フレーズ」や「名ゼリフ」を残していきました
例えば
- 徳光アナウンサーの「全国3,000万のプロレスファンの皆さん、こんばんは」
- 倉持アナウンサーの「男のロマンをいかんなくみせつけています」
- 若林アナウンサーの「戻せ! 1時間枠」
- 福澤アナウンサーの「ジャストミート!」「ファイヤー」
など、数え上げればキリがないほどの名フレーズや名ゼリフが生まれました
それがどのようにして誕生したのか、そしてどのような思いが込められているのかが、本の中で詳しく紹介していました
例えば「徳光アナウンサーの『全国3,000万のプロレスファンのみなさん・・・』の3,000万という数字はいったいどこから来たんだろう?」
とか
「福澤アナウンサーは何で『ジャストミート!』とか『ファイヤー!』とか言って絶叫していたんだろう?」
といった疑問に対する答えが、この本の中で明らかにされていました
アナウンサー全員がそれぞれ違った個性があって、プロレスに対する見方もみんな違っていて、「ああ、このアナウンサーはこんな気持ちで実況していたんだなあ・・・」というのが少し分かったような気がしました
本と映像を組み合わせると面白さ倍増!!
この本を読むだけでも十分に面白いのですが、読んだ後に「当時の映像を見る」と、さらに面白さが倍増するのでおすすめです
例えば、世界オープンタッグ選手権のザ・ファンクス VS シーク&ブッチャー組の一戦
ブッチャーのフォーク攻撃でテリーが右腕を負傷しながらも、左腕1本で相手に立ち向かい、最後にはシーク&ブッチャー組に勝って優勝し、ファンクスの人気が爆発するきっかけになった一戦です
試合後の表彰式で、負傷した右腕を吊るした状態で左手をあげて声援に応えるテリー!
大観衆の前でドリーとテリーが抱擁を交わしたその時、館内にファンクスの入場テーマ曲「スピニングトーホールド」が鳴り響きました!
プロレス史に残る感動的な名場面ですが、実はこのとき、中継車にいたチーフディレクターの梅垣氏が、「咄嗟の判断」で入場テーマ曲を流したのだそうです
つまり、アドリブの演出だったという訳ですね!
現場にいたテレビマンの咄嗟の判断が、視聴者に感動をもたらしたという訳ですね!
まとめ
以上、『テレビはプロレスから始まった 全日本プロレス中継を作ったテレビマンたち』の見どころをすこしだけ紹介してみました!
- 『全日本プロレス中継』の「ここだけの話」が盛りだくさん!
- 個性あふれる『名物アナウンサー』
- 本と映像を組み合わせると面白さ倍増!!
この他にも紹介しきれないとっておきの話がまだまだたくさんありますので、「全日本プロレス中継」に熱狂したプロレスファンならぜひ読んでおきたい一冊ですね!
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