芸能人や資産家が「税金対策のため会社を設立した」という話を時々耳にしますよね?
これって一体どういうことなのでしょうか?
会社を作るとお金もかかるし、会社の運営でやることがたくさんあって何だか大変そうですよね。
そこで、税金対策で会社を設立するというその理由を紹介したいと思います。
とくに難しい事は書いていませんので、どうぞ気軽に読んでくださいね!
所得が高額になると法人税が所得税に比べて税率が低い
税金対策で会社を設立する理由のひとつに、所得が高額になると法人税のほうが所得税より税率が低くなることが挙げられます。
では実際にどれくらい低いのか比べてみましょう
まず、個人の所得税は次のようになっています。
所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円未満 | 5% | 0円 |
195万円~330万円 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円 | 23% | 636,000円 |
900万円~1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円~4,000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円~ | 45% | 4,796,000円 |
所得金額が増えるにつれて税率が高くなっていますね。

所得が4,000万円を超えると、半分近くを税金として納めるようなイメージですね!
次に、法人税率は次のようになっています。
所得金額 | 税率 |
800万円未満 | 19%(※) |
800万円以上 | 23.2% |
※2021年3月31までの期間限定で15% |
法人税の場合は所得金額が800万円より少ない場合が19%で、多い場合が23.4%となっています。
では次に、これを図で比較してみましょう!

所得税と法人税の比較グラフ

所得金額が増えるにつれて税額の差がどんどん広がっている!
そうですね!
所得金額が多いほど、所得税と法人税の間に大きな開きが出ていますね!
これが、資産家が会社を設立して税金対策をしている最大の理由のひとつなのです。
給与所得控除でさらに節税ができる
給与所得控除とは、会社からもらう給料すべてに税金がかかるのではなく、給与から一定の金額を控除し、残った分にだけ所得税が課税されるという仕組みです。
給与所得控除額は次のように決められています。
給与等の収入金額 (給与所得の源泉徴収票の支払金額) |
給与所得控除額 |
1,625,000円まで | 550,000円 |
1,625,001円から1,800,000円まで | 収入金額×40%-100,000円 |
1,800,001円から3,600,000円まで | 収入金額×30%+80,000円 |
3,600,001円から6,600,000円まで | 収入金額×20%+440,000円 |
6,600,001円から8,500,000円まで | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
例えば、給与などの収入金額が700万円の場合、
給与所得控除額=7,000,000×10%+1,100,000円=1,800,000円
給与所得額=7,000,000-1,800,000円=5,200,000円
となり、所得税は700万円を受領していても520万円にしか課税されないのです!
さらに役員報酬は会社の経費となり、そのぶん会社の利益が圧縮されるので、法人税も節約できるのです。
その他のメリット
その他にも会社を設立して法人化するメリットがあります。
「経費で高級外車を買った」とかいう話を聞いたことはありませんか?
法人化すると経費の幅が広くなるので、たとえば乗用車を会社名義で購入して減価償却することができます。⇒減価償却費って何?経理・会計初心者のために用語を分かりやすく解説
また、役員に退職金を支払ったり、家族へ給与を支払うこともできます。
さらに、会社の所有財産には相続税がかからないので、例えば家族を株主にしておくこともできます。
会社を設立することによるデメリット
もちろん、会社の設立がいいことばかりとは限りません。
まず、会社の設立の手続きで25万円程度のお金が必要となります。
また、法人税の申告書は所得税と比べて複雑になるので税理士に依頼するケースが多く、税理士への支払い費用も発生します。
ひとつの目安として所得総額が550万円を超えるようであれば、会社の設立を検討してもいいのではないかと言われています。
まとめ
いかがでしたか?有名人や資産家が税金対策で会社を作るということが、だいたいイメージ出来たのではないでしょうか。
ここまで高額所得者が税金対策として会社を設立しているという理由を紹介してきましたが、中には特に税金対策はせずに「税金をたくさん納めて、世の中の役に立てて欲しい」という考え方の方がいらっしゃるのも事実です。
税金対策をするかしないかは個人の考え方であって、それは尊重されるべきかなとは思いますが、税金対策は知識として知っておいて損はないと思います。
もしかするとあなたも将来、収入が爆増して「税金がヤバいことになった」ということになるかも知れませんよ!?