車を経費で買うとどうなるの?その目的とメリットをわかりやすく紹介

マネー

「知り合いの自営業の方が経費で車を買った」とかいう話を聞いたことはありませんか?

そもそも経費で車を買うとどうなるのでしょうか?いったい何の目的で車を経費で買うのでしょうか?

ここでは、そのような疑問についてお答えしたいと思います。

車を経費で買うメリットは何?

経営者は何のために経費で車を買うのでしょうか、それはズバリ「法人税が節税できる」からです。

これはどういうことなのか、おおまかに説明してみましょう。

自営業をやっているというような個人事業主は2種類のおサイフを持っています。

ひとつは個人のおサイフ、そしてもうひとつは事業用のおサイフです。

もし個人のおサイフで車を買った場合、課せられる税金は、たとえ車を買っても買わなくても同じ金額が課税されます。

これに対し仕事のおサイフで車を買った場合、車の購入金額は経費として計上することができます。すると、車の経費分だけ事業の収入が減りますよね。

この、車の経費分だけ減った事業の収入に対して法人税が課せられるので、法人税が安くなるというわけなのです。

実際に車を経費で買うには?

では、実際に車を経費で買うにはどうすればいいのでしょうか。

車を経費で買うにはいろいろな条件がありますので、それらについて説明したいと思います。

車の用途が事業用であること

経費として計上できるのは事業用の車として使用することが前提です(当然ですよね!)。

プライベートで使う車を費用に計上することはできません。

1台の車を事業とプライベートのどちらでも使う場合はどうするの?

そういう場合は事業で使う割合の分だけを費用として計上できます。

たとえば、平日は仕事で使い、週末はプライベートで使うような場合は、7分の5を経費として計上することができます。

車の購入金額を全部まとめて経費には計上できない

車のように高額な資産は、たとえ事業用に購入したとしても一度に経費にすることはできず、複数年にわたって少しずつ計上しなければなりません(例外はあります)。

これを減価償却といい、1年以上使用し、かつ取得価格が10万円を超える資産は減価償却の対象になります。

減価償却費って何?経理・会計初心者のために用語を分かりやすく解説

新車と中古車で耐用年数が違う

前項で「複数年にわたって少しずつ計上」と書きましたが、その期間を「耐用年数」といいます。

そしてこの耐用年数は法律で次のように定められていています。

軽自動車 普通車
新車 4年 6年
中古車(法定耐用年数を過ぎていない) 法定耐用年数-(経過年数×0.8)
中古車(法定耐用年数を過ぎている) 法定耐用年数×0.2

※1 中古車の耐用年数の最低は2年

※2 中古車の耐用年数の計算は1年未満は切り捨て

この表を見て分かる通り、新車より中古車で購入するほうが減価償却の期間が少なくて済みます。

耐用年数が短いほど費用化できる減価償却費が多くなるため、節税の効果が高くなります。

減価償却費はどうやって計算するの?

前項で耐用年数が分かりました。耐用年数が分かれば償却率が分かります。

償却率とは、耐用年数ごとに1年間に経費として計上できる割合を示しています。

減価償却の計算方式には「定額法」と「定率法」の2種類があります。

定額法は毎年一定額を経費として計上する方法で、定率法は最初に経費を多めに計上するいっぽう、年々経費に出来る金額を下げていく方法です。

耐用年数と償却率の関係は次の様になっています。

耐用年数 定額法 定率法
2 0.500 1.000
3 0.334 0.667
4 0.250 0.500
5 0.200 0.400

この表を見て何か気付きませんでしたか?

あれ?耐用年数2年の定率法が1.000になっている!

これって、1年目に100%償却できるってこと?

そうなんです!定率法だと耐用年数が2年にもかかわらず1年で償却が完了してしまうのです!

これは「200%定率法」が適用されているからなのです。

さっきの表に戻ると、定率法は定額法の200%になっていますよね!

減価償却費は月割りで計算

減価償却費は月割りで計算されるので、1年のうちで車を使用した期間を考慮する必要があります。ポイントは、取得した日ではなく使用を開始した日が起点になるということです。

たとえば7月から車を使い始めた場合、7~12月の6か月分の減価償却費が経費として計上できます。

新車と中古車で減価償却費を比較

ではさっそく、普通車を費用で購入した場合に新車と中古車でどれくらい減価償却費に差が出るのか比較してみましょう。

条件
12月決算
1月に車を購入
購入費用:300万円
定率法

この条件で新車と中古車でどれくらい減価償却費に差が出るかを表にまとめてみました。

耐用年数 償却率 初年度償却費
新車 6年 0.414 0.414×300万円=124万円
中古車(2年落ち) 6年-(2年×0.8)=4.4年⇒4年 0.500 0.625×300万円=188万円
中古車(3年落ち) 6年-(3年×0.8)=3.6年⇒3年 0.667 0.833×300万円=250万円
中古車(4年落ち) 6年-(4年×0.8)=2.8年⇒2年 1.000 1.000×300万円=300万円
中古車(5年落ち) 6年-(5年×0.8)=2年 1.000 1.000×300万円=300万円

※以降、耐用年数は2年

どうですか?

4年落ちの中古車だと耐用年数が2年になるので、初年度に300万円全額が経費として計上することができます。

「経費で買うなら4年落ちの中古車がねらい目」というのを聞いたことはありませんか?

これは「耐用年数が2年で使用年数が一番少ない」中古車が4年落ちの中古車だからなのです。購入初年度の税金が節約できるために、事業者からは4年落ちの中古車が好まれるのです。

まとめ

以上、車を経費で買うとはどういうことなのか、そしてどのようなメリットがあるのかについて紹介してみました。

車を経費で買うと確かに税金を節約することはできますが、同時に会社のお金が減っていくという事実もお忘れなく。

 

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