戦後、日本の経済を支えていた終身雇用が終わりを告げようとしています。
いま働いている職場がどうなるか、そしてそこで働いている自分がどうなるか、何が起きてもおかしくない状態と言っていいかもしれません。
そんな時に自分の武器となってくれるのが「資格」ではないでしょうか。
一口に資格と言っても実にさまざまな資格があり、それについて数多くの本が出版されていますが、そんな中から今回は行政書士について書かれた本を紹介したいと思います。
ある通信講座のカタログによると、行政書士について次のようなことが書かれてありました。
・少ない資金で独立開業が可能
・仕事をしながら資格の取得が可能
・資格を持っていれば法律の専門家として企業から重宝される
・仕事内容が幅広くやりがいがある
・定年後にも収入が見込める
これだけをみれば行政書士がすごく魅力的な資格に思えますよね。
いっぽうで行政書士が実際どんな仕事なのかが通信講座のカタログではイメージが湧かなかったことも事実でした。
そこで行政書士という仕事が実際どのようなもので、どんなことをやっているのかを探していた時にこの1冊を見つけました。
行政書士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本 [第2版]
著者 石下 貴大 発行 秀和システム

行政書士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本
この本、ハッキリ言っておすすめです。私の知りたかったことが全部ここに書かれてありました。この本がどんなふうにおすすめなのかを次に説明したいと思います。
年収がイメージできる
どんな仕事をするにしてもまず一番気になるのが年収ではないでしょうか。
この本には全国の行政書士の年収についてアンケートによる統計結果が載っていますので、行政書士の年収がどれくらいなのかはすぐにわかるようになっています。
その上で、行政書士という仕事を副業として本業に差し支えない程度にやっている方や、法人化して億単位の売り上げを出している方などさまざまな業務形態があり、行政書士という武器をどのように使うかはあくまで個人次第ということが書かれてあります。
資格取得後に何をすればいいかイメージできる
資格を取った後は何をすればいいのかをこの本では具体的に説明しています。
司法書士や税理士と違って行政書士は実務経験がなくても開業できますが、試験で学んだ知識がそのまま実務で使えるというわけではありません。
資格を取った後に実務の経験や知識を得ることが必要となりますので、それらを習得する方法としてセミナーへの参加や、著者が主催する「行政書士の学校」などを紹介しています。
行政書士の実務が具体的にイメージできる
ひとことで行政書士と言ってもその仕事内容は実に多岐にわたります。
本書によればその数はなんと1万種類以上にも上るのこと。
その中で本書では大きく法人設立業務、許認可業務、市民法務業務、入管業務に分けてそれぞれ具体的に紹介しています。そしてこれらの業務に自分なりのアイディアを付加することにより新たな需要を開拓することができる、クリエイティブな仕事であることが紹介しています。
行政書士の日常がイメージできる
いざ行政書士になったらどんな日常を送るのか、とても気になりますよね。
本書では行政書士である著者の日常が紹介されてありますので、自分も将来行政書士になったらこんな日常を送るのだろうなといったイメージが湧きます。
また著者が愛用するカバンやパソコンなどについても紹介されていますので、今後の実務の上で参考になると思います。
最後に
本書では行政書士という仕事がどれほどすばらしく、やりがいがあって、人の役に立てるかという著者の熱い思いが語られていました。
いっぽうで「資格さえ持っていれば仕事は来る」といった甘いものではないと厳しい現実を述べた上で、では具体的にどうやって集客するかを紹介するなど、新米の行政書士さんのためになるノウハウが随所にちりばめられていました。
これから行政書士を真剣に目指そうという方のためにぜひおすすめしたい1冊です。